01.スタックとポット

SPRはStack to Pot Ratioの頭文字を取ったものですが、SPRとはどのようなものなのか理解するためには、その構成要素であるスタックとポットが何かを知る必要があります。

スタックとは

スタックとは英語で”積み上げる”ことや、積みあがったものを意味しますが、ポーカーでは、チップをテーブルに積み上げておくことが多いことから、各プレイヤーの手持ちのチップを意味します。

SPRの計算においては、単なる持っているスタックの数だけでなく、エフェクティブ・スタック(有効スタック)数を把握する必要があります。

ポーカーの対戦では最初の手持ちチップは同額からスタートしますが、試合が進むにつれて手持ちは変動します。

例えば、現在3人のプレイヤーが対戦に参加しており、自分のスタックが100であっても対戦相手Aが40、対戦相手Bが70というスタックであれば、このラウンドで賭けられる可能性がある最大の額は最少スタックの持ち主であるAに合わせた40となり、自分のスタックから41以上を賭けることはできません。

したがって、この場合は実質的に使うことが出来るスタックは40なので、エフェクティブ・スタックは40となります。

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ポットとは

ポットとは、現在すでに場に出ており、対戦で勝利した場合にその勝者が手に入れることが出来るかけ金の合計を指します。

ポットとは英語で鍋やティーポットや、そのような形をした容器を意味しますが、ポーカーなどの競技では昔、賭け金をそのような入れ物に入れて集めていたとされており、それがこの用語の由来ではないかとされています。

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02.SPRとは？

SPRとは、スタックとポットの割合を意味し、スタックをポットで割ったものです。計算には各プレイヤーのスタックの数字ではなく、上で触れたエフェクティブ・スタックの値が用いられます。

例えば、エフェクティブスタックが70であり、現在のポットが14である場合、SPRは70/14=5である、ということになります。

03.SPRの意味

では、実際にこの数値が何を意味しているかというと、シンプルに言ってしまえば、SPRは『現時点で実際に賭けられているチップの数』と『その試合中に賭けられる可能性のある最大限のチップ数』がどれくらい離れているかを示します。

基本的には、SPRが高ければ高いほどプレイの自由度が高まり、駆け引きの余地が生まれます。逆にSPRが低い場合は、プレイ選択の幅が狭まるため、判断の機会は減少します。

SPRが高ければ高いほどよりポーカーの腕が問われるハイリスクハイリターンな状況でアリ、SPRが低い場合は、よりリスクが減るため判断が容易になる、というイメージでしょうか。

例えば、エフェクティブスタックが100であるのに対して、ポットが5だとすると、SPRは20となり、これはかなりSPRが高い状態です。これが何を意味するかというと、現時点で5のポットを争って勝負するために、(実際には途中でフォールドするなどの選択肢もあるとはいえ)最終的に賭けるチップが100まで吊り上げられる可能性のある勝負に参戦している、ということです。対戦相手との駆け引き次第で様々な状況がここから発生する可能性がありますし、自分の手札の強さも慎重に判断する必要があります。

一方で、SPRが非常に低い場合、例えばポット10に対してエフェクティブスタック10といった状況(SPR=1)を考えてみましょう。

もちろんこのような場合でも相手が賭けるチップを吊り上げる勝負を挑んでくる可能性はありますが、期待値的には、自分の手札の強さにあまり関係なく、得られる可能性のある見返りを考慮した場合に勝負を受けた方が得である可能性が高いです。

10のポットを取るための勝負で、最大でも10までの損失しか出る可能性がないのであれば、オッズ的には33%程度の勝率があれば、その勝負に臨むべきです。

04.まとめ

今回の記事ではポーカー出の勝率を上げるために重要となるSPRとその考え方について解説しました。SPRに合わせて戦略を変えることは、長期的に見てポーカーでの勝率を高めることに繋がります。是非皆さんも意識してみてください。

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