期待値
自分の勝率などを効率よく予測できる!期待値とは
テキサスホールデムでは、長期的に利益を獲得するために確率を計算する必要があります。自分が勝利する確率や相手がフォールドする確率などを計算してプレイへ反映させられるとスキルが上昇するでしょう。
確率を計算する際に重要なのが「期待値」です。期待値は学校でも学習する確率論の基本的な考えですが、忘れている方もいると思うのでもう一度テキサスホールデム用に計算のコツを学びましょう。
今回は期待値の概要や計算するメリット、計算のコツなどを解説していきます。
01.期待値とは
期待値とは「自分が獲得できる平均的な価値」のようなものです。各確率と獲得できる数値(確率変数)を掛けることで値が出てきます。
たとえばコインを投げたときの裏表によって
- ・表が10ポイント
- ・裏が20ポイント
といったポイントが設定されているとします。裏と表が出る確率は同じです。この場合期待値は
「(1/2×10)+(1/2×20)=15」です。つまりプレイするごとに15ポイントを期待値面では獲得できる計算になります。
実際のプレイでは「5回連続表が出る」といったずれによって、期待値にもずれが出ます。ただし何回もプレイしていると、獲得時の平均は14ポイント、といったように15ポイントへ近づきます。これは数学的観点から「確率が収束する」と言われる点も覚えておきましょう。
02.期待値計算のメリット
初心者は「プレミアハンドだからとりあえずベットしよう」といったように「とりあえず」でプレイを行うケースがあります。しかし上級プレイヤーはとりあえずという考え方をあまりしません。「このくらい期待値があるからベットは強気にしよう」といったように、確率論からプレイ内容を決めて勝利を目指していきます。
期待値の計算は難しいので、その場で複数のパターンを考えるのは難しいかもしれません。それでも後で「ここでは期待値が50ほどあったので、プレイを継続すべきだった」というように、数値に基づいたプレイ内容の見直しを行うといった場面で役立ちます。
またもし期待値の計算を複数その場でできる場合は、プレイ時に強い武器になってくれるでしょう。
03.インプライドオッズも重要!期待値を計算する際のコツ
期待値を計算する際は、次のコツを理解しておきましょう。
自分の勝率がその場でどのくらいあるか計算する
期待値は自分の勝率がその場でどのくらいあるのか考える際に使えます。
たとえば「ポットが現在200ドルで、相手が50ドルをベット、あなたは50ドルをコールした」とします。言い換えると「50ドルのコールで勝てば300ドル、負ければ0ドルを獲得する」となるのがポイントです。
つまり期待値は「50ドル/300=約16.6%」になり、あなたは16.6%を超える確率で勝てるハンドを持っていればベットしてもよいことになります。16.6%を下回る勝率であれば、フォールドして損額を減らすのが賢明です。
インプライドオッズで将来的な期待値も計算する
上記のようにその場の勝率でプレイができれば、テキサスホールデムはそんなに難しくないでしょう。しかしテキサスホールデムでは「インプライドオッズ」という考え方があり、これがテキサスホールデムをより面白いものにしています。
インプライドオッズとは「将来的なオッズ」のことで、推測値を基に将来的に得られるオッズを計算していきます。つまり「今は採算が合わないが、もし計算通りに行けばオッズがよくなるので採算が合う」といった判断が可能です。
たとえばオッズが現在フロップで25%、あなたがストレートドローして勝てる確率が16%ほどだとします。この場合フォールドしたほうがよいと思うかもしれませんが、もしリバーでストレートを引いて相手がさらにベットしてくれるならば、オッズが15%や10%といったように16%を下回ることに気が付きます。あなたはベットを続けました。インプライドオッズは失敗すると皮算用になりますが、正確性が高い計算ができると将来的な見込みも併せて柔軟なプレイができるようになる考えです。
ブラフでレイズするといった判断にも使う
もし「期待値計算でこちらの勝率が20%、相手の勝率が80%」だと計算してもあきらめてはいけません。テキサスホールデムにはブラフという考えがあり、相手をフォールドさせてブラフで勝利することで負けをひっくり返せる可能性があるからです。このように相手の勝率をブラフによってフォールドさせて覆し、相手が獲得するはずだった利益を自分のものへすることを「フォールドエクイティ」と呼びます。
ですから
- ・相手はルースだから、こちらの勝率が高ければ安心してバリューベットできる
- ・相手はタイトだから、こちらの勝率が低くても強いハンドを装えば勝てる
といったように、期待値計算をしながら相手のプレイスタイルを確認、ブラフをするかしないかといった判断で期待値をコントロールしていくことも可能でしょう。期待値はあくまで参考値であり、相手の判断やボード状況などで思うとおりに行かないケースがあることにも留意しておいてください。
04.まとめ
期待値計算は今ベットしてもメリットがあるのか、また早期フォールドしたほうが結果的に負けが小さくて済むのか、といった考えを行う際に必要です。
テキサスホールデムでは負けが0になるということはまずないでしょう。プレイを重ねるごとに勝利と敗北の回数が増えていくはずです。しかし期待値計算を基に正確なプレイをすれば、大きく利益を得て少なく損をすることはできます。
ぜひ期待値計算の精度に磨きを掛けてみましょう。
FAQ
ポーカーで勝つためには、確率を考慮して自分の手札の強さを判断することと、心理戦で相手を読み取ることが重要です。相手のベットパターンや行動を観察し、自分の戦略を柔軟に調整することで勝利に近づけます。
「オールイン」とは、自分の手持ちのチップをすべてベットすることです。手持ちのチップが不足して他のプレイヤーと同額をベットできない場合でも、オールインを宣言することでゲームを続行できます。
「ブラインド」とは、ゲーム開始時に強制的にベットされるチップのことです。スモールブラインドとビッグブラインドの2種類があり、ディーラーボタンの左隣から順に配置されます。スモールブラインドは最低ベット額の半分、ビッグブラインドは最低ベット額全額を強制的にベットします。
ポーカーのベットアクションは以下の通りです。 コール:前のプレイヤーと同じ額のチップをベットすること。 レイズ:前のプレイヤーのベット額にさらに上乗せしてベットすること。 フォールド:勝負を降りて、このゲームから離脱すること。 チェック:ベットせずに順番をパスすること。自分より前のプレイヤーが誰もベットしていない場合にのみ可能です。
テキサス・ホールデムでは、各プレイヤーに2枚のハンド(手札)が配られます。その後、5枚のコミュニティカードが公開されます(最初に3枚のフロップ、その後1枚ずつのターンとリバー)。プレイヤーは各ラウンドでベットやフォールドなどのアクションを行い、最終的に最強の役を持つプレイヤーが勝者となります。
ポーカーの役は強い順に以下の通りです。
ロイヤルフラッシュ
ストレートフラッシュ
フォーカード(フォー・オブ・ア・カインド/クアッズ)
フルハウス
フラッシュ
ストレート
スリーカード(スリー・オブ・ア・カインド/トリップス/セット)
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