ベット
主にアメリカで発達し現在のルールが形作られた、トランプを用いたカードゲームであるポーカーですが、現在もカジノなどで広くプレイされ、定番種目の一つとなっています。
5枚の手札で対戦するプレイヤーよりも強い役を揃えることが目標のゲームであるポーカーですが、他のカードゲームと異なり、単に強いカードを引き当てるだけではなく、複数のラウンドに分けてチップをベットするというルールにすることで、心理戦の要素が加わり、そのゲーム性と戦略性が高まっています。
今回の記事では、そんなポーカーの最も重要なアクションの一つでもある、ベットについて解説します。
01.ベットとは?
ポーカーにおいて、ベットという用語を用いる場合に、二種類の使われ方がされているため、少し注意が必要です。
まず第一に、ベットは英語で『賭けること』を意味しているため、チップを提示するアクションを総称してベットあるいはベッティングと呼ぶことがあります。ベットを巡る駆け引きはポーカーの大きな魅力の一つであり、ポーカーにおいて「チップをベットする」ことは最も基本的なアクションです。
そして、最近、より一般的なこの用語の使い方が、各ベッティングラウンドの最初にチップを提示することを指して『ベット』と呼ぶことです。誤解のないように、こちらの意味のベットである、ということを示したい場合は『オープニングベット』や『オープンベット』という言い方が用いられる場合もあります。
ではどのようなアクションがこのオープニングベットと呼ばれることもあるタイプのベットに該当するのかですが、簡単に言うと、一番最初にベット額を提示するアクション、となります。したがって、既に他のプレイヤーがチップを提示している状態でさらにベット額を上げるようにチップを上乗せしたとしても、これはベットとは呼ばれません。
テキサスホールデムでは、ブラインドと呼ばれる強制ベットが存在しているため、プリフロップのラウンドでは、最低1人はプレイヤーがチップを既にベットしている状態から開始されます。このため、プリフロップでは基本的にはベットは存在しませんが、ブラインドを別として、初めてチップ額を提示するアクションのことをベットと呼ぶことも稀にあります。
02.ベットの例
では実際に、テキサスホールデムでどのような場面でチップを賭けるアクションがベットとなるのかを見て行きます。
上で解説した通り、プリフロップではブラインドポジションのプレイヤーが強制的にチップをベットすることになるため、フロップ、あるいはリバーなどのラウンドで自分のベッティングのターンが回ってきた、という前提とします。
まず第一に、最もわかりやすいのは、ベッティングラウンドが自分のターンからスタートする場合です。当然ながら、この段階では前ラウンドでコールされたチップ以外は場に出ていない状態となります。そのため、手札に良いカードが揃っており、ここからさらにチップを上乗せしたい場合は自動的にベットを行うことになります。
また、フロップ以降のラウンドでプレイヤーが選択できるもう一つのアクションにチェックがあります。チェックは現行のチップのまま、上乗せすることなく自分のターンをスルーするアクションです。これは、誰も他にベットを行っているプレイヤーがいない時のみ可能なアクションです(ベットを行っているプレイヤーが居た場合は、少なくともそれと同額のチップをベットするか、あるいはそのラウンドで勝負をあきらめてフォールドを行う必要がある)。
複数プレイヤーがチェックを連続して行った場合に、誰もベットするチップの額を前ラウンドから上乗せしないまま、自分にターンが回ってくる場合があります。当然ながら、もし他プレイヤー全員がチェックを選択すれば、仮にベッティングの順番が最後尾だったとしてもこの状況は発生する可能性はあります。このときに上のケースと同じように、チップ額を上乗せする場合には、これもベットと呼ばれます。
まとめると、順番やラウンドに関わらず、相手プレイヤーが誰もチップをテーブルに出していない状態で初めてチップ額を提示するアクションをベットと言う、ということになります。
03.ベットとレイズの違い
ベットと混同されることが多いアクションの一つにレイズがあります。ベットとレイズはチップ額を提示するという意味では共通しています。
区別自体はそこまで難しくなく、レイズは『ベットするチップの額を上げること』を意味しています。そのため、既に誰かがベットを行った状態で、さらにそれを上回るチップをベットするアクションがレイズです。他のプレイヤーがレイズをした場合に、さらにそれを上回る額をベットする場合もレイズと呼びます。したがって、チェックではない、チップを提示する最初のアクションがベット、2人目以降、既にベットが行われる状態でチップを上乗せするようなアクションは全てレイズ、ということになります。
04.ベットすべき場面とベットすべきではない場面
当然ながら、ベットを行えば、その分テーブル上のチップの額は増えるため、相手がコールなどでそのベットに応じてきた場合に、勝てば得られるチップの額は上がる一方で、負けた際に失うチップの額も大きい、ハイリスクハイリターンな勝負が生まれやすくなります。
そのため、ベットを行う際にはある程度勝てる見込みの高い手札が揃っていることが前提となり、強力な手札を持っているのであれば、積極的にベットに行くべきです。
ただし、手札の強弱が全てではないのがポーカーの魅力でもあります。アンティのように、ラウンドに参加するだけで一定額の強制ベットが発生する場合は、実際に手札を公開しての勝負までいかずとも、対戦相手を全員フォールドさせてしまえばアンティ分のチップを得られることになります。
このため、心理戦の上手いプレイヤーは、自分の手札があまり強くない場合でも、強気なベットを行うことで、対戦相手に自分は強い手札を持っていると思い込ませ、勝負を挑まずに相手全員をフォールドさせてリターンを得る、という作戦を取ることもあります。
ただし、これに失敗すると大きな損失を被ることになるので、対戦相手プレイヤーのハンドレンジ、自分がこれまでのプレイで相手に与えている印象などを慎重に考慮する必要があります。
05.まとめ
今回の記事ではポーカーの戦いにおいて、非常に重要なアクションであるベットについて解説しました。ベットのタイミングを見極めることはポーカーの勝率を挙げることに繋がります。その他のベッティングアクションに関しても、別の記事で解説していますので、もしよければぜひご覧ください。
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