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画像:福島潤インタビュー レイズの瞬間を探れ
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福島潤インタビュー レイズの瞬間を探れ

2022年1月17日、m HOLD'EMアプリにて人気アニメ作品「この素晴らしい世界に祝福を!(以下、このすば)」とのコラボレーションがスタート!主人公・カズマこと佐藤和真をはじめ、人気キャラクターたちがテキサスホールデムプレイヤーとして登場。アニメでカズマ役を演じる福島潤も、声優として当コラボ企画に参加する。 「DEATH NOTE」の死神・リュークや弱虫ペダル・鳴子章吉など、幅広い声域を武器にあらゆる役を演じる福島。彼が自身の活動において“レイズ”(=挑戦)する瞬間とは? ボイス収録を終えた直後の福島に、声優としてのスタンスから、今回のコラボへの意気込みに到るまで、話を聞いた。

テキサスホールデムで対戦しない方がいいのはクリスかもしれません

――まずはボイス収録、お疲れ様でした! コラボに臨んだ手応えを教えてください。

「もし自分が実際にアプリをプレイするならどういう感情になるか」というリアリティを考えながら挑みました。そのうえで、自分が出せる声のバリエーションの「一番下」から「一番上」までを出しきりましたね。結構振り幅があるので、楽しんで聞いてもらいたいです。

――もともとm HOLD'EMアプリはご存知でしたか?

実は、話を聞いてから調べました(笑)。テキサスホールデムもやったことがなくて。でもアプリについてはいろんなプレイヤーとオンライン上でプレイできるところが面白いですよね。

――嬉しいお言葉をありがとうございます!では、もし「このすば」のキャラクターがテキサスホールデムをプレイするとしたら、強いのは誰だと思いますか?

主人公であるカズマは、パーティの中だったらダントツで強いですね。彼は冒険者としての能力が"普通"なんですけど、運のパラメータ(幸運値)だけは異常に高いんです。実際、原作小説でもギャンブルで無双しているシーンがあります。彼自身も「ほぼじゃんけんで負けたことない」って言っているくらいなので。

ks01_258-04_0190.png▲トラックに轢かれたと勘違いしてショック死し、女神・アクアを道連れに異世界転生する主人公・カズマ。冒険者としてのステータスは普通だが幸運値は高く、悪知恵もはたらく。
©2016 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば製作委員会

ああ、でもカズマより幸運値が高いのは盗賊のクリスですよね。強いのはカズマだけど、正直クリスとは対戦したくないです(笑)。

――逆に弱いのは誰だと思いますか?

難しいですね?。カズマのパーティのなかでは騎士のダクネスでしょうか。皆でゲームをするシーンが何度か登場するのですが、大体ダクネスが負けてますからね。真面目過ぎて、駆け引きに向いてない気がします。もしくは、カズマを異世界に送り込んだアクアかも......。

ks01_176-03_0144.png▲水を司る女神であり、若くして死んだ日本人の死後案内を務めるアクア。面白いほどに幸運値が低いため、テキサスホールデムに不向き?
©2016 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば製作委員会

アクアはカズマと真逆なんですよね。冒険者としてのステータスは全部高いけど、知力と幸運値だけが低い。うーん、ダクネスかアクアなら結構いい勝負すると思うんですよね。ただアクアが負けた方が面白そう(笑)。アクアってことにしておきましょうか。

――最後は展開の面白さで選びましたね(笑)。では、福島さんご自身はm HOLD'EMアプリをプレイする際、どういった戦術で挑む傾向がありますか?

事前に攻略法を練ってから挑むことが多いです。このゲームに限らず、他のゲームをやるときも攻略サイトを先に見る習慣があって。頭の中でシミュレーションしてからやってみます。逆に「何も考えずにやってみよう!」みたいなのはそこまでないかもしれません。

――いちかばちかではなく、きっちりと計算をされるんですね。

勝つパーセンテージを上げるような考え方はしてますね、昔から。ひょっとすると声優になろうと思った頃から、そういう考え方だったかもしれません。

凡人が本当にかっこいい人たちに勝つための方法を考えてました

――福島さんが"声優"という道を選んだ時、どのように勝率を上げていこうと考えたのでしょうか?

まずいろんなアプローチを用意しました。一つのところから教わるよりも色んな養成所で吸収した方がいいだろう、と思ってトリプルスクールをした時期もありましたし。

――学校を三つ掛け持ち?! すごいですね。

「他の人と同じ教科書で同じレッスンを受けていたら、今活躍している人たちに追いつかないだろう」とも考えていたので、レッスンに加えて心理学や人間工学も勉強していました。演技に活かせそうな学問があればそこから吸収し、全く別のアプローチを考えてみたり。

――それが声優における「勝つパーセンテージを上げる」やり方なのですね。

とにかく凡人が本当にかっこいい人たちに勝つための方法を考えてました(笑)。普通にセリフをかっこよく言っただけじゃ敵わないっていう自覚はあったんですよね。だから、あえて面白い言い方を試行錯誤したりもしていました。

「このすば」も"会話劇"という大きなテーマがあったからこそ、アドリブだと視聴者にはバレないよう意識しながら、現場から生まれるライブ感やリアリティが伝わるよう挑みました。

実際、リハーサルではハチャメチャに好きにやらせていただきましたし。「アドリブが多い現場」と言ってもらえるようになったのは嬉しかったですね。

――「このすば」は初主演作品、という意味でも大勝負に出た作品だと思います。そういった大勝負にアドリブで挑むのはちょっと意外でした。

アドリブって必ずしも"その場の思いつき"ではないんですよね。僕自身もその場でアイディアが閃くタイプではないので「ここは必要」「やった方がいい」というところを事前に台本へ書き込んでいます。そのうえでライブ感は演技で担保しています。

――アドリブの勝率も考えているんですね!

台本を見られたらお恥ずかしいのですが、分岐を3つくらい考えておいて(笑)。その現場の空気から瞬時に選択します。

――では、「このすば」でそういったライブ感のあるリアクションに"レイズ"したきっかけは?

主役を任されたぶん、ちょっとでも現場に笑いがあって、良い空気感が生まれるようにしたいと思っていたんですよね。

ある時「カズマ!」って呼ばれた時に「あ、はいカズマです」って台本にないリアルな返しをしたのがウケて。「新しい、面白い」「本番でもお願いします」と言われるようになったのが始まりでした。全員でコミュニケーションをとりながら作っていくのは他の現場にない試みでしたね。

ただ、リハーサルって出演者全員で一気にやるから声も被ったりするんですけど、本番は別々に録るんですよ。だーれも喋ってないなかで僕が「マジかよ!......それで?」とか1人でやっている(笑)。本当にこれで合ってるのか分からないので、ドキドキします。

――そしてリハーサルで少しでも手応えを感じた表現に、本番の収録で"レイズ"する、と。

万が一「違うかな」となっても、録り直しに付き合ってもらえますからね。ちょっとしたリアクション一つに対しても「10回?20回は録るぞ」という妥協しない気持ちで挑みました。本当にクリエイティブな現場でした。

「このすば」は30数年間溜め込んでいた要素を残らず投入できた

――正解がわからないなか、他の出演者が拾ってくれることを祈りながら自分のアドリブに"レイズ"するのは勇気がいりませんか?

「このすば」がやりたいことを受け入れてくれる作品だったことは大きかったかもしれません。自分は昔からコメディが好きで、コメディの勉強もしていたんです。そういった蓄積や自分の理想とするお芝居をすべて活かせるチャンスが「このすば」でした。

ks10_302-02_0060.png©2016 暁なつめ・三嶋くろね/KADOKAWA/このすば製作委員会

もちろん主役というプレッシャーはあったし、アニメ1期、2期、映画......といずれも収録前日は全然寝れませんでした。ただ、カズマという役は原作小説を読ませてもらった段階で、言葉が頭の中で音声化できたんですよね。「これ、自分じゃないか!」みたいな(笑)。

だからこそ、今まで30数年間溜め込んでいた "面白いんじゃない?"という要素を残さず投入できた。本当に運命的な出会いだったと思います。

――その一方で、顔の見えない"視聴者"とも向き合わなければいけないのが、アニメ声優の難しいところだと思います。特に原作ありきの作品はプレッシャーに感じませんか?

人気のあるキャラクターを演じる時ほど、襲ってくる怖さがありますね。想像より声が高かった/低かったという感想は出てくると思いますし。

ただ、小説と違ってアニメはアクションや表情がはっきり見えますよね。シーンが一連の流れをもって動き、セリフがつながっている点も、マンガとは大きく異なります。原作を意識しすぎると、アニメ独自の面白さがなくなってしまう。

だから原作の雰囲気は大事にしつつも、アニメという表現手法にばっちりマッチする演技を考えるスタンスでいます。

「僕も(原作の)ファンだ! 僕が思う原作の好きなところはここだ!僕を信じて堂々と食ってくれ!」って料理を出す気持ちです。演技のすみずみにこだわりを詰め込んでいるので、ぜひトータルで楽しんでもらいたいです。

――最後に、「このすば」の新作もそろそろ動き出すのでは? と大勢のファンが期待していると思います。2022年、福島さんがチャレンジしたいことを教えてください!

まだやったことないことをやりたいですね。大げさですが「まだ皆が思いついてないような新しい芝居」が生み出せたら、新しいカズマの表現にたどり着けるんじゃないかなと思います。

実際、1期は本当に好き放題やれていたものの、人気が出てからの2期や映画は常に「外からの期待を超えなきゃ」というプレッシャーとも戦っていました。

最終的には僕らが楽しむことが作品の面白さにつながると思うので、あまり外側を意識しすぎずに、僕らの"好き"と"面白さ"を追求したいです。新しい挑戦、そして今まで培った面白さを合体させ、今までで一番の作品を作ろうと思います。


取材・執筆:村山桂子 構成:高木望

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